私は結局6/21のチーム「ら」を生で1回、そして3チームすべての千秋楽をライブビューイングで観ることができました。
「どっちですか~どっちですか」という劇中歌が頭から離れず、大トリであるチーム「ご」の公演から丸2日経った今でも、余韻に浸って感動できるほど素晴らしい舞台。
今日はすべてのチームを観た上で、15人全メンバーについての感想なんかを書いてみます。
素敵なお話でした。
メンバーの話の前にまず、この物語が伝えようとしていること、脚本・演出を担当する川尻さんが込めたメッセージについて。これは、チーム「ら」の第3回公演を見た後の記事「じょしらく」チーム”ら”&伊藤万理華の落語を見てきた!に書いた解釈と、現在もあまり変わっていません。
各千秋楽の公演後、演者の5人が前に出て最後の感想をひとりずつ話す場面で目立ったのは「現実の自分と重なるセリフがあった」というコメント。
じょしらく公演発表から時間が経ち、12thシングルの選抜発表がされて各メンバーの立ち位置は変わりましたが、アンダーメンバーと選抜3列目の15人にとって、ダイレクトに響く脚本だったのだと思います。
福神組よりアンダーの方が好きな私には、涙なしには見られない内容でした。川尻さん、本当にすごい方です。
音楽よかったですよね。
それからもうひとつ。音楽、最高でした。劇中ではメンバーが歌って踊るシーンが何度かあって、その曲がどれもよかった!特に、冒頭に書いた「どっちですかー」っていう曲。
エンディングをのぞく本編中では最後の曲で、会話から曲へ導入する演出込みで感動しました。
5人がアイドルユニット「SUGAR SPOT」として登場するところでも曲のパフォーマンスがあります。これはチームごとに1曲ずつ用意されていて、私はチーム「ら」のPerfumeを思わせる曲「ドラマティック」が好きです。
あまり話題になっていませんが、じょしらくに出てくる音楽はほとんど、あらいふとしさん・淳さんが担当されています。作詞は川尻恵太さん。
上演前後に流れる「骨将軍」の男性ボーカルは、川尻恵太さんの声のようです。
▼伍代目 あらい屋
じょしらく ありがとうございました
▼アライフトシドットコム
乃木坂46舞台「じょしらく」音楽担当させていただきます。
▼Twitter
あらいふとし
安藤美雲さんの2nd個人PV音楽も担当されている方ですよ。
じょしらく ありがとうございました
▼アライフトシドットコム
乃木坂46舞台「じょしらく」音楽担当させていただきます。
あらいふとし
安藤美雲さんの2nd個人PV音楽も担当されている方ですよ。
ツイッターなんかを見ても曲がよかったという声がすごく多くて、これはどうにか音源化してほしい!LINE MUSICでもmoraでもなんでもいいので運営さまお願いします。
メンバーごとに、思ったこと。
伊藤万理華(チームら)
私は乃木坂46全メンバー中、圧倒的に万理華さんの演技が好きです。推し補正とかもあるのか分からないけれど、今回もやっぱりすごかった。伊藤万理華ではなく手寅でした。
ただ、万理華さんはシリアスなシーンでの映え方がずば抜けている分、お笑いシーンで面白いことを言う時の言葉のテンポや間に、まだまだ改善の余地があるような気がします。
演技には自信があるけれど、人を笑わせるのには自信がなくて、それが透けて見えるような。
もう一歩前に踏み出して自分の殻をやぶることができれば、万理華さんはとんでもない女優になるんじゃないかと、わくわくしてしまいます。
高山一実(チームく)
高山さんは、セリフ中の面白いことや笑わせるためのアドリブを言う時、手寅ではなく高山一実に戻りますね。
手寅が面白いことを言った、ではなく、かずみん今日もおもしろいなーという感じ。
演劇で物語を観客に見せる時、いかにその世界に引き込むかって大事だと思うんですよ。そういう意味では演者本人の姿を見せて現実に戻してしまうのは失敗ですよね。
ところがこの舞台はマリーさん以外、”乃木坂メンバーが各キャラクターを演じている”という劇中劇のような設定。
そう考えると、手寅のセリフ中に高山一実が顔を覗かせるのはむしろ完全に設定通りで、もしもこれを高山さんが計算してやっているんだとしたら…「おそろしい子!」
中元日芽香(チームご)
千秋楽の中元さん、ひとことで言うなら「つきぬけた」です。
演技をすることだけでなく、お客さんを笑わせるのが楽しくてしょうがない!という気持ちと自信が全身からみなぎっていて、見ている方としても気持ちがいいくらい。
中元さんはもともと、言葉のチョイスや発言のタイミングなど、「おもしろい事」を分かっている人だと思います。そこに演技力・表情の豊かさ・役柄との相性が組み合わさって、舞台上では怖いものなしでした。
運営さんがいま中元さんに与えるべきは、ダンスのレッスンでもキラキラの衣装でもなく、「場」だけだと思います。この人が選抜経験1回なんて絶対におかしい。
斉藤優里(チームら)
主人公は手寅でありながら、実際ストーリーの中心はマリーさん。セリフが多いことが予想され、心配だったのは優里さんの滑舌。
キャラクターの設定上、相手をまくしたてるような場面も多々ある中、優里さんは要所要所で明らかに意識してゆっくり言葉を発していました。
舞台のためにいろいろ試行錯誤したり、指導されたりもあるのでしょうが、間違いなくラジオパーソナリティとしての経験が生きていますね。
定期的に長期間続けていることって、自分でも気づかないうちにすごい技術が身についていたりするもので、優里さんが今まで続けてきた声のお仕事が”演劇”に形を変えて大きな結果に結びついたのを目の当たりにしました。
松村沙友理(チームく)
松村さんは本当に不思議で、普段の明るくてほわほわした感じにそのままセリフを乗せれば自然に見えそうなのに、演技になると途端に棒読み感が…。もしかすると標準語で感情を表現するのが苦手なのかもしれないですね。
もういっそのこと思いっきりアレンジして関西弁全開のマリーさんにしちゃえばよかったのに。”さゆりん”パートは逆に標準語にして。そうするとストーリーの意図とはずれてしまうか。
でも、昨年のプリンシパルに比べたらはるかにセリフも覚えていて表現力もあったように思います。
特に最後のセリフ。本編に出てくる15人全員の全セリフの中で、1番気持ちのこもった「本気」を感じました。あんな気迫に満ちた松村さんは初めて見た。
衛藤美彩(チームご)
セリフ覚えとか発声とか基礎が身についてくると、今度は役になりきって”違和感のない”表現を磨く段階になりますよね。衛藤さんはその段階すらとっくに終えていて、赤髪に紅の着物を着た姉御肌のマリーさんそのもの。
他のメンバーが急に入れてくるアドリブに対し、対抗せず受け入れて笑いを生み出し次の流れへ自然につなげる、を徹底していて、MCのように自分以外のメンバーのことも見えている印象でした。
そして驚いたのは最後のセリフ「これ以上、落ちてたまるか!」。
優里さんと松村さんが鬼気迫る表情と声のトーンで叫んだのに対し、衛藤さんは笑顔でニコッと笑ったように見えました。
言葉で表すと「希望」みたいな表情。衛藤さん独自の役柄解釈とか自信が含まれていて、思わずはっとしてしまいました。
メンバー内では演技力の高い人、というぬるい評価の位置にはもういないですね。
星野みなみ(チームら)
星野さんが単独落語披露をした公演を見たあと、私とのぎ友さんとの会話の中で共通していたのは「みなみちゃん、やるじゃん」ということ。
昨年のプリンシパルで台本を手に持ったまま舞台に臨み、笑いをとった星野さんからは想像もつかないくらい、しっかりと”役者さん”でした。
人前でも緊張しないという本人の言葉通り、単独落語でも早口になったりせず、いつもの星野さんペース。あの若月さんもうらやむ、瞬時に場の空気を作る特殊能力を存分に発揮していました。
できないことがかわいい、やらないことがかっこいい、の時代は終わったようです。ちょっとさみしいけど。
井上小百合(チームく)
チーム”く”の中では、浮いてしまうくらい井上さんだけ飛びぬけていたように思います。
映像ではなく舞台であることを生かし、他の誰かが話す場面で観客の目が自分に向いていないときでも、さりげない仕草でキグちゃんを表現。
キャラ設定上、高い声と低い声を使い分ける必要があり、井上さんは声色を変えても発声が変わらない謎の高等技術?を使ってるように聞こえました。専門家じゃないから知らんけど。
これが舞台経験の差なんでしょうか。すごい。
突飛なアドリブばかりに目が行きがちですが、井上さんのように基礎がしっかりしている正統派の演技が評価されると嬉しいですよね。
北野日奈子(チームご)
北野さんの演技をしっかりと見たのは、プリンシパルtroisの第一幕オーディション以来。第二幕にしばらく選ばれなかったのが頷けるほど、あの時は残念な印象でした。
あれから1年経ち、チーム”ご”の千秋楽を終えた北野さんは「今立っている舞台は、1年前に見た舞台の景色じゃない」というコメントを涙ながらに残しました。
北野さんから見た景色も違ったかもしれませんが、私から見た北野さんも全く別人のよう。
高校卒業、研究生全員昇格、仲のよいメンバーの専属モデル抜擢など、いろいろ思うところもあるのでしょう。甘えの一切ない本気のキグちゃん、素晴らしかったです。
所属チームが”ご”だった事も、北野さんにとっては大きなプラスだったと思います。
堀未央奈(チームら)
こういったイベントを通して、今まで知らなかった魅力に気づくことってあるじゃないですか。私にとって今回は、堀さんがそれでした。
個人PV「ゆるす!」で見せたシュールな魅力にさらに磨きがかかっていて、特に、発言するときの間の良さが印象的。
ゆるす!もそうだったように、ちょっと高圧的な役柄を与えられたとき、堀さんの魅力は爆発するんですね。
ああ、もっと堀さんの演技が見たい。個握に行きたい。クイズ王と語り合いたい。
佐々木琴子(チームく)
「棒読みの琴子」健在。どうしてもセリフの語尾に感情が乗らなくて、朗読のように聞こえてしまいました。
と言っても川尻さんからは「稽古期間中、いちばん成長したメンバー」との評価をもらったそうで、プリンシパルの時を思い返しても、著しい演技の上達が見えました。
この1年間、佐々木さんの演技仕事は個人PVしかなかったと記憶しているので、短い稽古期間でここまで仕上げたのは相当な事。年上1期生たちの中で相当な努力をしたんですね。
私の思う佐々木さんの魅力は、何を考えているのか分からない雰囲気や、普段から言葉に感情が乗っていないところ。
魅力的な個性を無理に矯正してしまうよりも、それを生かせる役にめぐり合えたとき、不思議な化学反応が起きそうですね。秋のプリンシパルに大期待。
能條愛未(チームご)
今回のじょしらく、MVPは能條さんじゃないでしょうか。演技の上手さはもちろん、とにかく目立ってました。
衛藤さんや井上さんと同じで、舞台上に必要な基礎はきっちりできていて、その上でセリフのニュアンスを変えてみたりアドリブを入れてみたり。
チーム”ご”しか観ていない人は台本通りと思っているであろう、他チームの丸京がやっていないことをかなりやっています。たぶん勝手に。
私がチーム”ら”を観たあと、チーム”ご”を観たのぎ友さんとの会話。
友「てるてるぼうずのシーンあったじゃん、あれさ…」
私「え?てるてるぼうずなんて出てきた?」
友「メガネが曇る、のくだりの前にあったじゃん」
私「メガネは覚えてるけど、てるてるぼうず??」
私「え?てるてるぼうずなんて出てきた?」
友「メガネが曇る、のくだりの前にあったじゃん」
私「メガネは覚えてるけど、てるてるぼうず??」
てるてるぼうずは確かに劇中に出てきます。でも私は全く覚えていませんでした。なぜかというと、「てるてるぼうずを壁に掛ける」だけのシーンだから。
実は丸京役の3人のうち能條さんだけが、てるてるぼうずに話しかけるというアドリブを入れていたんですね。しかも数十秒に渡る長いアドリブ。
こういうのは相当な自信がないとできないことで、能條さんは舞台が好きで好きで仕方がないのだと思います。言葉にも仕草にも常に自信があふれていました。
山崎怜奈(チームら)
チーム”ら”の3公演目を見たとき、山崎さんのセリフ間違いが少し気になりました。セリフを間違えて自分で笑ってしまう場面もあって、緊張しているんだろうなと。
ところが5公演目の千秋楽、そんな場面はいっさいなくて、公演後の挨拶では「泣くかと思ったけど今はカラッとしてる」と笑顔でコメント。
これからしばらく学業優先のための休業に入る山崎さんにとって、いったん区切りとなるお仕事。成功させて終わりたい気持ちは人一倍なはずで、きっと千秋楽までにたくさん泣いてきたのだろうなと思うと、その時の笑顔が胸に響きました。
中田花奈(チームく)
中田さん、こんなに表情豊かな人だったんですね。
生ドルで見せる変顔がやばいのは知ってましたが、ここまで喜怒哀楽を表情で表現できる人だとは知りませんでした。
映像よりも表情が見えにくい舞台だということや、ライブビューイングで表情が映ることなんかを常に意識していたんでしょうか。
「胸の大きさネタ」での松村さんとのやり取りはお互い遠慮がなくて、さすがの生ドルコンビでした。
齋藤飛鳥(チームご)
舞台役者さんは、顔が大きいほうが舞台映えするそうです。乃木坂イチの小顔メンバー飛鳥さんはどう見えるのかなと気になってました。
飛鳥さんの演技といえば、「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」や個人PV「水色の花」など、セリフのないものの印象が強かったのですが、けっこうしっかり演技するんですね。
不自然に見える場面もなく、声もしっかり通っていて、驚き。モデルに留まらず演技もいけるのか。
顔の小ささに関しては特に気になりませんでしたが、カツラの毛量が多く見えてなんだかホラーっぽくて、声質とのアンバランスさが面白かったです。
まとめ。
全チーム観られて、本当によかったと思っています。素晴らしい舞台でした。さいごにチームごとの感想。
チームく
高山一実(21)、松村沙友理(22)、井上小百合(20)、佐々木琴子(16)、中田花奈(20)「く」は、乃木坂が今まで歩んできた過去をよく知っている人に響くチームですね。4人が20歳以上、さらに3人が福神経験者。「これ以上落ちてたまるか」のセリフと、そこに至るまでが心に響く5人でした。
チームご
中元日芽香(19)、衛藤美彩(22)、北野日奈子(18)、能條愛未(20)、齋藤飛鳥(16)もしも全チームの公演を見た人たちにベストチームを投票させたら、たぶん「ご」が1番になると思います。とにかく標準レベルが高くて、5人の団結力というか信頼関係が映画館のスクリーン越しでも伝わってきました。
チームら
伊藤万理華(19)、斉藤優里(21)、堀未央奈(18)、星野みなみ(17)、山崎怜奈(18)演技の上手さではなく全体の魅力として、私はこの「ら」がいちばん好きです。平均年齢がもっとも低く、演技経験者も少ない。5人の組み合わせもこの舞台がなければなしえないようなものなのに、なんだか不思議な魅力がありました。チームら、最高。
追記:2015/7/4
井上さんが7/4に書いたブログに、こんな一文がありました。映像とは違って舞台だということを活かし、
セリフのないときも、仕草や表情などで
空間全体を使って、物語に引き込めるように私なりに努力しました。
見る側にわかりやすく世界観をつくりあげることに、工夫をしたり。
私の演じたキグちゃんは、かわいい顔して毒を吐く子だったんですが、
裏と表の、表情や声の使い分けにも気を付けました。
井上小百合さんブログ
ヽ(。・ω・。)どうでもいいけどさ 水筒って便利だ
私が書いた感想と同じようなことを書いてる!
井上さんが意識してやっていたことをきちんと受け取ることができて、推しとしてはちょっとうれしかったので追記しました。すいませんそれだけです。
追記:2015/8/17
うれしいニュース!動画配信サービス「hulu(フールー)」にて、舞台じょしらくの映像が配信されることに決まりました!いつの公演が見られるのか、個別落語も見られるのか、など詳細は不明ですが、これはとにかくうれしいニュースです。
しかもじょしらくだけでなく、「超能力研究部の3人」まで配信されるとのこと。
運営さまhuluさま、本当にありがとうございます。これで全国の「じょしらくロス症候群」患者が救われます。
2件のコメント
Twitter検索からお邪魔させて頂きました。先ず不躾がありましたらご容赦願います。
抽選運と友人に恵まれましたので琴子回、まりっか回、あしゅ回を生で。みなみ回みさ回をLVで観劇出来ました。
前記事も拝読いたしましたが、(同日観劇でした)的確かつ造詣のある内容でついコメントさせて頂いている次第です。私はプリンシパルは未見ですので対比については語れませんが彼女たち(11th非十福神)の状況や背景や過去を踏まえた上での考察は私の思いと多分に重なる所がありました。とても嬉しくまた少し寂しく読ませて頂きました。
寂しくというのは記事内容ではなくまっつん、まりっか、ひめの台詞たちと心中を思い返したが故です。無論ゆったんやみさについては言うまでもない事はご理解頂けると思います。
同様な気持ちを抱いて乃木坂46の活動を見、また記されていらっしゃる方が居られる事、非常に嬉しく思います。今後とも機会があれば記事を拝読したく思っております。ご活躍を祈念します。 草々
『ご』『ら』を生で、『く』をライブビューイングで観ました。
まっちゅん(と今回は出てませんがななせまる)は関西弁と標準語では全く違いますよね。是非一度関西弁の役を与えてほしいです。
僕もMVPを選ぶならじょーさん一択です。さゆちゃんも完璧だと思いましたが、彼女には完璧以上の役者としての凄味があった。MIPはきいちゃん。もうキグちゃんそのもの。技術的には全然なのかもしれませんが、彼女のキグちゃんはお金払って何回も観たいと思いました。芸能は上手い下手じゃなく、客に『観たい』と思わせたが勝ちですしね。
あとはゆったんのハマリ具合とまっちゅんの千秋楽ラストの台詞には痺れました。