乃木坂のイベントなんかで知り合った方とお話をしていて、こういう仕事をしてますと伝えると、なかなかの確率で聞かれることがあるんです。
「デザインの人から見て乃木坂ってどうなんです?」
これほんとにけっこう聞かれるんですけれど、何でかなと考えたときに、のぎファンのみなさんは「乃木坂ってアイドルなのにおしゃれ」と感じているんじゃないかと思ったんですよ。
ソニーの今野さんをはじめ運営さん発信の言葉を聞くと「クリエイティブ」っていうキーワードが出てきますよね。運営さん的にもそういうイメージで売りたくて、ファン側もそれをしっかり受け取っているのかなと。
ファン側が乃木坂のクリエイティブな部分に興味があるのなら、これは記事にしなければ…。
ということで今回は、乃木坂46のCDジャケット写真についてデザイナー目線でえらそうに語る、です。
私は特に著名なデザイナーでもなく大きな賞を取っているわけでもないので、「デザイナー目線で」ってところは記事のとっかかり程度に受け取ってくださるとありがたいです。。。
1stから順にいきます。
ぐるぐるカーテン
2012年2月にリリースされたデビューシングル。いま見るとちょっと古臭く感じませんか?全体のイメージやレイアウトで見せるというよりも、カーテンをキーワードに人気メンバーを並べて、「人」を見せることをメインにしたジャケットのように思います。
なので人の顔が重要で、メンバーの顔つき自体が今より若くて垢抜けていないことが、昔っぽく見えてしまう大きな要因のひとつですかね。
撮影当時、各メンバーへの理解度がまだ浅かったとスタッフさんが語っていますが、それが表れているのか、どこにでもありそうなデザインに見えます。
「ぐるぐるカーテン」のタイポグラフィは乃木坂っぽさがあって好きです。
おいでシャンプー
2012年5月リリース。1stに比べるとややシチュエーションが明確になっていて、ジャケ写を見ただけで女子校の日常が思い浮かびます。スタッフさんのコメントによると「体育を見学している女子」がモチーフだそうですが、私が初めて見たときは、部活に所属していない女子=帰宅部の女子を表してるのかと思ってました。体育会系じゃないよという意味を込めてるのかなと。
タイポグラフィは微妙ですね…。なんで文字の下に雲みたいなもこもこを敷いたのか?なぞです。
走れ!Bicycle
2012年8月リリース。乃木坂初の夏曲です。乃木坂の古参ファンの方から、バイシクルのリリースキャンペーンぐらいの頃が好きだった、みたいな話を聞くことがあります。自転車に乗って日本各地を走り回るキャンペーン、あの爽やかさと青春感はたしかにいいですよね。
で、このジャケットはその頃の乃木坂の良さが表現できているような気がします。ほとんどの男性が学生時代に経験したであろう、半そで夏制服を着た女子を横目で追う感じとか、汗ばんだ肌にどきっとする感じとか、そんな甘酸っぱいイメージがすごく湧いてきます。
適度な躍動感があって、でも写真の邪魔をしないシンプルなタイポグラフィもいいですね。
制服のマネキン
2012年12月リリース。過去3作と曲調がガラっと変わりました。メンバーの顔アップなので、人を見せる系かと思いきや、なにやらそれだけではない強いメッセージ性というか含みを感じます。
乃木坂は、曲・歌詞・MV・ジャケットのイメージを揃えていないことが多々ありますが、マネキンに関してはすべてを合わせているようですね。
ジャケ写の中心を占める色の割合が肌色多め。タイポグラフィには直線的なゴシック体を使っていますし、もっと青とか寒色に振って、冷たくて固いイメージも見てみたかったなあなんて思います。
それから、ジャケ写自体に「乃木坂46」の記載がないのはこれが初。入れるところがなくて帯に入れたのか、世界観を大切にしたのか気になるところです。
君の名は希望
2013年3月リリース。1番好きなジャケットは?と聞かれたらこれです。すべてのジャケットの中でいちばん自然な表情、ランダムな配置、手書きのタイポグラフィと鳩のイラスト。やっぱいいわーこのジャケット。
ランダムなレイアウトと手書きの文字って素人っぽさが出やすいと思うんですけれど、これはセンスよく成り立っていて、このデザイン力がうらやましくてしょうがないです。
撮影はセルフタイマー(いつ撮ってるかわからないように撮るやり方)でおこなったことが明かされていますが、この手法を選んだのは大成功なのだと思います。
それと、11thまでのCDでサイドキャップ(立てて並べたときに曲名が書いてある縦長のとこ)の色が4タイプそれぞれ違うのはこれだけ。ジャケ写も含めて「個性」というテーマが隠れている気がして、そういうところも好きな理由のひとつです。
ガールズルール
2013年7月リリース。センターが変わり曲調も大きく変わった、2度目の夏曲。初めて見たときはほぼCGかと思っていて、もちろん加工はされているんでしょうが、実際に水に潜って撮ったとは驚きました。
ガルルといえばMVのファンが多いのは間違いないですけれど、曲&詞・MV・ジャケットの世界観がまったくつながってなくて面白いです。
水中のシチュエーションなのに水着じゃなかったり、空に浮かんでいるように見えるところもいいですね。
そしてこの独特なタイポグラフィ。かなり好きな感じなのですが、なぜかこの文字を見ると、私の聖書である「すごいよマサルさん」が頭をよぎってしまいます。きっとわかってくれる人もいるはず、、
続きます。
11thまで+アルバムで12種類もあるので、前後半にわけます。12種ぜんぶ書いたあとに補足?というか言い訳したいことがあるので、後半もどうか読みにきてください!
▼続き
デザイナー目線で乃木坂46を語るよ!~ジャケット編・後半~
3件のコメント
一番上の画像、「君の名は希望」にピントが合っていて素敵。
一番好きな曲だけに嬉しい。
すごいよマサルさん!わかる!!懐かし!!!
ボスケテ…
それぞれのジャケットにどんな意味があるのか、考察するのも面白いですね。^_^