のぎファンの反応を見たり聞いたりしていると、カップリング曲がとても好評のようですね。たしかに、これは微妙だな…という曲やMVがなくて秀作揃いという感じがします。
中でも私は、堀未央奈さんがセンターを務めるアンダー曲「別れ際、もっと好きになる。」が、曲もMVもいちばんビビっときました。
今回はこの曲のMVについて、必要以上に深読みをしつつあれこれ考えてみます!
堀未央奈×山岸聖太。
このMVの監督は山岸聖太(やまぎしさんた)さん。不思議なお名前ですが本名だそうです。乃木坂の次世代監督?
今年の初め頃に、乃木坂の制作スタッフさんとお会いする機会がありました。
個人PVに関するお話を聞かせていただく中で、いちばん名前が挙がったのがこの山岸監督。運営さんの間でも評判がよいそうで、近々表題MVを担当してもおかしくないくらいだとおっしゃってました。
乃木坂のMV監督といえば、柳沢翔さんや湯浅弘章さんが有名かと思いますが、このふたりとは全く違うタイプの映像作りをする山岸さん、乃木坂の次世代監督という感じがします。
過去の乃木坂作品。
次世代、といってもけっこう前から乃木坂46と関わりのある方。5thの市來玲奈さん個人PV「サウスポー市來」が初登場でしょうか。
重い色味の映像と軽いノリの組み合わせ、画面いっぱいのタイトル、めっちゃしゃべる、リッチな感じのBGM。シリアスや感動よりも、おもしろシュールのイメージが強いですね。
私は10thの堀未央奈さん個人PV、シフトってなんですか?でおなじみの「ゆるす!」が大好きです。堀未央奈×山岸聖太と聞いただけで期待感が高まります。
まずは登場人物。
ミオナ
堀未央奈転校生と思われる少女。クラスになじめず、友人がいない。
オム
シブリさん(パキスタン出身の俳優さん)弁当屋で働く、アジフライ泥棒。インド人のように見えて、実はスペイン人。
ヒナコ
北野日奈子ミオナのクラスメイト。いつもひとりでいるミオナを気にかけている。
学生たち
アンダーメンバー中元さん、能條さんをはじめとする女子学生。ミオナのクラスメイトではないと思われる。
オムさんのひみつ。
まず、「オム」ってなんなのかな、ってすごい気になりました。弁当屋の裏口で偶然出会った、外国人と思われる男性。アジフライにかぶりつきながら、「オム…」と言いかけたところでミオナはその場から走り出します。
その後、ミオナの中では彼の名前を”オムさん”としていますが、あれは何と言いかけていたのか。
オムライスの語源。
MVのラストで、オムさんがスペイン人だと明かされます。なので、「オム」ということばと「スペイン語」をキーワードに調べてみました。
で、ちょっと気になる情報を見つけたんです。
私たち日本人が「オム」と聞いて最初に思い浮かべるのは、たぶんほとんどの人が「オムライス」ですよね。
オムレツ+ライスでオムライス。この「オムレツ」は、もともと”薄い板”を意味するラテン語が語源とのこと。
ところがもうひとつ、語源と言われる都市伝説みたいなものがあるようです。
昔スペインの王様が、ある男に料理を作らせた。男はすぐに卵料理を用意し、王様はその調理の早さに驚いて、「ケル オムレスト!」と言った。
”すばやい男”を意味するそのことばが、卵を薄く焼いた料理「オムレツ」の語源となった。
”すばやい男”を意味するそのことばが、卵を薄く焼いた料理「オムレツ」の語源となった。
オムさんは、すばやい男?
ミオナの前に現れて一瞬で心を奪い、次に会うときにはもういない。実は泥棒ということも含めて、ルパン三世のカリオストロの城みたいですね。
たしかにすばやいし、オムとスペインがつながった感じはするけれど、いまいちピンとこない…。
じゃあインドのことばではどうか?
インドでオム(オーム)ということばは、聖音と呼ばれるとても大事なもののようです。意味は…
世界を守るものであり、「心の中の負を浄化するもの」
「ナマステ」とは。
恋愛カレー研究会でカレーを作るとき、能條さんがミオナに「ナマステ」を教えます。ホワイトボードに書いてあるそのことば「ナマステ」が、”こんにちは”にあたる挨拶語であることは有名ですね。
でもこのナマステ、いろんな意味があるんです。こんにちは、こんばんは、さようなら、やあ、どうも…。
”別れ際”というキーワードから考えると「さようなら」がしっくりきそうですが、元をたどるとこんな意味もあるそうです。
ナマス(感謝)テ(あなたへ)→「あなたへの感謝」
ストーリー中、ミオナがこのことばを使うのは1シーンだけ。パトカーに乗せられ連行されるオムさんに叫ぶときです。
深読み考察。
いろいろ考えたり調べたりしてみてこのMV、堀さんの現状を応援も交えて描いたものなんじゃないか?と解釈してみました。学校帰り、楽しそうに談笑する学生を横目にひとりで帰宅するミオナ。偶然見かけたインド人に話しかけられて驚き、あわてて走り出す。
初めてアンダーメンバーとなった堀さんは、過去の栄光やプレッシャーに日々悩まされています。
そんな中、オムさんに出会って何かが変わります。
そんな中、オムさんに出会って何かが変わります。
教室で誰とも話すことなく席に着くミオナ。授業中もオムさんのことばかり考えてしまう。
ひとりだけ制服が違うのは、おそらく転校生の設定ですね。初めてアンダーメンバーになったことの象徴。
暗く彩度の低い映像で描かれる日常と対照的に、空想の中でオムさんと過ごす時間は明るく鮮やかな映像。
さらに空想シーンには、現実の堀さんが大好きな「食べる」描写が入っています。
暗く彩度の低い映像で描かれる日常と対照的に、空想の中でオムさんと過ごす時間は明るく鮮やかな映像。
さらに空想シーンには、現実の堀さんが大好きな「食べる」描写が入っています。
インド人のオムさんに手作りカレーをプレゼントするため、恋愛カレー研究会を訪れたミオナ。そこで、”ナマステ”やカレーの作り方などを教わる。
体育のシーンでヒナコがミオナを気に掛けている描写から、恋愛カレー研究会に誘ったのはヒナコだと考えられます。
同じ2期生で堀さんと仲がよく、アンダー経験もある北野さん。架け橋となり、堀さんをアンダーメンバーに迎え入れることを示しています。
そして研究会のリーダーは、前回アンダーセンターを務めた中元さん。他メンバーも加わりさまざまな事を教わります。
同じ2期生で堀さんと仲がよく、アンダー経験もある北野さん。架け橋となり、堀さんをアンダーメンバーに迎え入れることを示しています。
そして研究会のリーダーは、前回アンダーセンターを務めた中元さん。他メンバーも加わりさまざまな事を教わります。
作ったカレーを持って弁当屋へ行くも、なぜか警察に連行されてしまうオムさん。ミオナはパトカーを追いかけ、「ナマステ」と叫ぶ。
カレー研究会を通して、同級生たちと打ち解けられたミオナ。
そのきっかけとなったオムさんが去ってしまい、”あなたへの感謝”を意味する「ナマステ」を叫びます。
そのきっかけとなったオムさんが去ってしまい、”あなたへの感謝”を意味する「ナマステ」を叫びます。
オムさんが連れて行かれた理由と、実はスペイン人であったことを知らされ、驚く学生たち。ミオナはそれを聞き爆笑。それにつられ、みんなも笑う。
「オム」を乗り越えて笑うミオナ。つまり「心の中の負を浄化」して前に進む堀さんを表しています。
最後のオチは監督からのメッセージ。
ミオナにとって全てだったオムさんがただのアジフライ泥棒で国籍まで違ったように、堀さんがいま悩んでいることはそんなに大したことじゃない。
大好きなおいしいものでも食べて大きな声で笑っていれば、周りのみんなも笑顔でいてくれるよ、ということです。
最後のオチは監督からのメッセージ。
ミオナにとって全てだったオムさんがただのアジフライ泥棒で国籍まで違ったように、堀さんがいま悩んでいることはそんなに大したことじゃない。
大好きなおいしいものでも食べて大きな声で笑っていれば、周りのみんなも笑顔でいてくれるよ、ということです。
テーマ「インド」はいつ決まったのか?
さいごに、このMVのテーマについて思ったこと。乃木坂46のMV制作は非常にハードスケジュールだとよく耳にします。
撮影時間が少ないとか、撮影当日に曲や歌詞が届くとか。そのせいなのか、曲・歌詞・映像のテーマが一致していないことも多々ありますよね。
そういう意味で私が驚いたのが、ダンスのシーン。インド舞踊をモチーフにしているような振り付けなんです。
堀未央奈×インド。
このダンス、MV内だけのものじゃなく、実際にライブパフォーマンスで見せる振り付けと同じとのこと。
となると、さすがにMV監督の意向から振り付けが決まるというのは考えにくいので、事前に運営さんから「インド」というテーマが決められていた可能性があります。
で、それを伝えられた山岸監督がナンまで盛り込んだオムさんネタを考えたと。
「ナンですか?」、大食い、交友関係、初のアンダー、初の選抜落ち。
堀さんにまつわるこれだけの要素を取り入れながら、「インド」という突飛すぎるテーマにも沿った映像を作るというのは、すごいことじゃないでしょうか。
まとめ。
「オム」についてはけっこう調べたんですけれど、結局これだ!っていうこじつけの決め手に欠けました。そもそも意味なんてないのかもしれないし、もっと深い意味があるのかもしれない。
スペイン語やヒンディー語のわかる方、オム…ではじまるこんなことばがあるからこういう意味だよ、というのを知っていたらぜひ教えてください。
それから冒頭に書いたとおり、私はこのMVが大好きです。映像に関わった方々はもちろん、ダンス衣装と振り付けを考えた方に拍手を送りたい!
12thはアンダーライブを開催する気配がなくて、それが残念でならないですね。ブルーシアターでセンターに立つ、白赤衣装の堀さんが見たかった…。
本編にはないシーンがあるので、見てない方は必見。斎藤ナマステ。
過去のMV深読み考察記事はこちら。⇒ 深読み考察
1件のコメント
初拝見。なかなか面白い考察ですね!堀ちゃんのアンダーからの転校生設定だったり。それぐらいはわかれよという話なのですが笑 見ていて新たな発見がありました、また深読み楽しみにしてます!